Focal Fossa (20.04 LTS)が2020年04月23日リリースされた。 COVID-19の影響で遅延するかと思ったが、スケジュール通り。 サポートは5年間。
$ lsb_release -dc Description: Ubuntu 20.04 LTS Codename: focal
クリーンインストールではなく、do-release-upgrade
でアップグレード。
19.10からの変更点を確認したが、日常仕様に影響を与える変更点は見当たらない。
NVIDIA GPUのサポートが改善されたのはありがたい。
Gnomeはversion 3.36になった。
長年sypheedのスパムフィルタにはbogofilterを使ってきた。 UbuntuEoanでsylpheed 3.7.0をコンパイル・インストールしていたが、 UbuntuFocalではリポジトリにあるsylpheedのバージョンが3.7.0だったので、 リポジトリから入れた。
迷惑メールフィルタの設定は触っていないが、 メールを受信するたびにエラー 「迷惑メールフィルタコマンドの実行に失敗しました。 迷惑メール対策の設定を確認してください。」で受信が止まるので、対策をする。
$ bogofilter -Q # bogofilter version 1.2.4 [中略] block-on-subnets = No encoding = utf-8 charset-default = iso-8859-1 replace-nonascii-characters = No stats-in-header = Yes thresh-update = 0.000000 timestamp = Yes spam-header-name = X-Bogosity [以下略]
charsetが気になるが、正常のようだ。
$ ls .bogofilter/ wordlist.db
これで使ってきたデータベースもちゃんとある。
$ bogofilter -vl < Mail/junk/210 X-Bogosity: Spam, tests=bogofilter, spamicity=1.000000, version=1.2.4
期待通りに動作している。EoanからFocalへのアップグレードで 何が変わったのだろうか。
これまで使用してきた現在の設定(全般の設定→迷惑メール)では、 迷惑メール「bogofiliter -N -s -l」、 非迷惑メール「bogofiliter -n -S -l」、 判定コマンド「bogofilter -l」になっている。
仮説として、 今回、 学習コマンドのプルダウンリストからbogofilterを選択したことが原因であり、 これはプリセットであることを勘案して、試しに「迷惑メール」欄、 「非迷惑メール欄」、「判定コマンド」欄を空欄にしてみた。
エラーは生じなくなった。 スパムフィルタが機能しているか一抹の不安はあるが、 これにて解決。
ログアウトしてしばらくすると勝手にサスペンドするようになった。Eoanではなかった現象だ。 長年にわたって、 マシンの前に座っているときはデスクトップGUIで、 遠隔地ではsshで作業を行うスタイルで仕事をしてきたが、 勝手にサスペンドされて、pingも帰ってこない状態は大変困る。 少なくともGNOME Control Centerの設定ではどうにもならないようだ。 そもそも、ログアウト後の話なので、特定のアカウントで設定する次元のものではない。
検索すると、ノートPCの蓋を占める際にサスペンドされないようにする話がほとんどだが、
18.04で同じ問題に遭っている人を発見。
なるほど、キーワードはpolicykitらしい。
この説明に従ってみる。
/etc/polkit-1/localauthority/90-mandatory.d/disable-suspend.pkla
に設定を書くという方法だが、このファイルは存在しないので新規に作成する。
なお/etc/polkit-1/localauthority/90-mandatory.d/
は空であった。
$ sudo vi /etc/polkit-1/localauthority/90-mandatory.d/disable-suspend.pkla $ sudo cat /etc/polkit-1/localauthority/90-mandatory.d/disable-suspend.pkla [Disable suspend (upower)] Identity=unix-user:* Action=org.freedesktop.upower.suspend ResultActive=no ResultInactive=no ResultAny=no [Disable suspend (logind)] Identity=unix-user:* Action=org.freedesktop.login1.suspend ResultActive=no [Disable suspend for all sessions (logind)] Identity=unix-user:* Action=org.freedesktop.login1.suspend-multiple-sessions ResultActive=no
Polkit(旧称Policykit)は、
サービスを権限のないプログラムに権限をもたせる制御を行うフレームワークということらしい。これで様子を見る。解決したようだ。
なお、DMの設定でサスペンドを止めるために、
/etc/systemd/logind.conf
を編集するという情報もある。
$ grep Idle /etc/systemd/logind.conf #IdleAction=ignore #IdleActionSec=30min
docx形式の書類に記入する場合、 LibreOffice Writerの互換性の問題からレイアウトが崩れることがしばしば発生し、 悲しい状態になる。 そこで、pdf形式の同じ書類があれば、 そちらに書き込む方がレイアウトが決して崩れない書面になるので好都合だ。 しかしながら、これは以前から発生していた症状だが、 pdfファイルをLibreOffice Drawに読み込むと、部分的に白抜き文字になる。 基本的に太字にされていると白抜き文字になってしまうようだ。
今回は重要な書類なので、この現象をハックすることにした。
検索してみると中国語の漢字で同様の現象が発生するとバク報告があった。
ありがたいことに、解決のヒントが書かれている。
Drawが誤判定をして、style:text-outline="true"
になっている部分が白抜きになっているのではないかとのこと。
これをtureからfalseに変更することによって白抜きが黒文字に戻ったとのこと。
odgファイルをunzipして、style:text-outline="true"
を探すが見つからず、
text-outline="true"
で探すと見つかった。
全ては、contents.xmlの中で見つかった。
$ find . -type f -exec grep -HoE 'text-outline=[^ ]*' {} \; ./content.xml:text-outline="true" ./content.xml:text-outline="true" ./content.xml:text-outline="true" ./content.xml:text-outline="true" ./content.xml:text-outline="true" ./content.xml:text-outline="true" ./content.xml:text-outline="true" ./content.xml:text-outline="true" ./content.xml:text-outline="true" ./content.xml:text-outline="true" ./content.xml:text-outline="true"
なお、odgファイルの中身は次のようになっている。
$ unzip -l jp_coi.odg Archive: jp_coi.odg Length Date Time Name --------- ---------- ----- ---- 43 2020-06-24 06:15 mimetype 0 2020-06-24 06:15 Configurations2/toolbar/ 0 2020-06-24 06:15 Configurations2/floater/ 0 2020-06-24 06:15 Configurations2/menubar/ 0 2020-06-24 06:15 Configurations2/popupmenu/ 0 2020-06-24 06:15 Configurations2/accelerator/ 0 2020-06-24 06:15 Configurations2/toolpanel/ 0 2020-06-24 06:15 Configurations2/progressbar/ 0 2020-06-24 06:15 Configurations2/statusbar/ 0 2020-06-24 06:15 Configurations2/images/Bitmaps/ 14521 2020-06-24 06:15 styles.xml 11107 2020-06-24 06:15 settings.xml 9394 2020-06-24 06:15 Thumbnails/thumbnail.png 1036 2020-06-24 06:15 meta.xml 965 2020-06-24 06:15 META-INF/manifest.xml 200690 2020-06-24 06:15 content.xml --------- ------- 237756 16 files
sedで一括変換をして解決した。
$ sed 's/text-outline="true"/text-outline="false"/g' content.xml > tmp.xml
$ mv tmp.xml content.xml
unzipでばらしたodgファイルの中身をzipで元に戻す。
白抜き文字になった文字が元に戻った。 毎回この作業をするのはとても面倒だが、このバグはいつになったら直るのだろう。
アップグレードではPPAを無効にされるので、再度、追加する必要がある。